この記事では、税理士試験における合格科目数がどれほど年収に影響を与えるのか、各科目合格者のデータを基に詳しくご紹介します。
さらに、科目合格者がキャリアをさらに発展させるための税理士事務所の選び方もお伝えします。
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税理士試験の合格科目と平均年収
税理士事務所では、税理士試験の合格科目数が多いほど、専門知識を高く評価され、優遇される傾向にあります。
合格科目数が多いということは、税理士に近いレベルの専門性を持っていると考えられるからです。
とはいえ、それぞれの科目の合格率は約10〜20%とあって、いずれも高難易度の試験になります。
それだけに、合格科目数が年収に与える影響も少なくありません。
参考までに、リクルート会社の調べによる、合格数による年収の推移を下記にまとめましたので、参考にしてください。
合格科目 | 平均年収 |
1〜3科目合格者 | 370万円 |
4科目合格者 | 450万円 |
全科目合格者 | 640万円 |
『マイナビ税理士』調べ
https://zeirishi.mynavi-agent.jp/helpful_mt/2021/03/467.html
なお、税理士試験に全科目合格した人については、税理士としての登録完了前と、完了後でも年収が変化することにも注意が必要です。
おおよそですが、登録前は約500万円なのに対して、登録後は500〜1,200万円と大幅に年収が増加することが見込まれるようです。
このデータからも、速やかに4科目を合格し、続いて全科目合格を目指す戦略が有効であることがわかります。
ちなみに厚生労働省の賃金調査によると、一般労働者の平均年収が約308万円であるのに対し、税理士の平均年収は約958万円です。
さらに40代の税理士で見ると、平均年収は1,100万円を超えるというデータもありますので、高所得を目指す人は、ぜひ全科目合格を目指してみてください。
科目合格者のキャリアパス
とはいえ、先程も触れたように全科目合格への道はとても険しく、優秀な人でも目的を達成するまでに何年も費やす場合もあります。
ただし、税理士試験に数科目でも合格している人材は、それだけで税理士事務所で高い評価を得ることができます。
また、このような人材は企業からも重宝されるため、チャレンジする価値は十分にあると言えるでしょう。
未合格者の就職と平均収入の実態
とはいえ、試験に合格できるまで、働かずに試験勉強に時間を費やすのはあまり得策とはいえません。
試験に合格する前に、生活が行き詰ってしまう可能性が高いからです。
実は、会計関係の職に就く際には、税理士試験がなくても他の関連資格によって就職を有利に進めることができます。
そのような関連資格としては、次のようなものがあります。
- 公認会計士
- 簿記資格
- ファイナンシャル・プランニング技能士
- 不動産鑑定士
- 中小企業診断士
- 宅地建物取引士
- 社会保険労務士
- 国際会計検定
- FASS検定
ちなみに、簿記3級の資格を持つ人の平均年収は約300万円と、大卒初任者と同等程度。
税理士試験の全科目合格者の平均年収と比べると見劣りしますが、会計事務の経験も積めることを考えると悪くない選択肢といえるでしょう。
ただし、資格がなくとも採用される税理士事務所となると、どうしても中小企業や個人事務所が多くなる傾向はあります。
職員数の少ない小さな事務所では、労働環境が厳しく、忙しすぎて試験勉強にまで手が回らないという状況も生まれがちだと言います。
そのため、職場選びは慎重に行うように心掛けてください。
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科目合格に応じた収入増加の傾向
税理士の資格取得を目指すなかで、科目合格を積み重ねることは収入アップにもつながります。
例えば、ひとつの科目に合格するだけで月収が5,000円から10,000円の範囲でアップ。
さらに5科目すべてに合格した場合には、年収が30万円から60万円ほど上昇するケースもあるようです。
こうした収入のアップを考える際には、3科目の合格を基準に考えるとよいでしょう。
3科目合格で年収が大きく上昇するほか、大手の税理士事務所のなかには、採用条件に「3科目以上の合格」を設定していることが多いからです。
また、優先的に合格しておきたい科目もあります。
会計に関わる必修2科目と、税法に関する所得税法や法人税法といった必修選択科目は、転職の際には特に注目されるようです。
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税理士試験の全科目合格への道
以上のように、税理士事務所への就職を考えた場合には、必ずしも全科目合格は必須ではありません。
しかし、その後のキャリアや収入などを考えた場合には、やはり全科目合格を目指すべきでしょう。
ここでは、全科目合格を目指す人が、税理士事務所勤務と学習時間をどのように両立させればよいのかについて解説していきます。
適切な事務所の選択法
全科目合格に向けて学習を続けるためには、職場の理解と協力が不可欠です。
そのため、忙しい時期を除き、通常の業務時間に余裕のある事務所を選ぶのが理想的です。
さらに、大手の税理士事務所の中には、定期的な勉強会の開催や試験前の時短勤務、特別休暇の取得などの協力を得られる場合もあるようです。
こうした労働条件だけでなく、職場に税理士試験を目指す仲間がいることで、互いに知識や情報を共有し、励まし合うことでさらなるメリットを受けられる可能性もあります。
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結論
今回の記事では、税理士試験の合格科目数によってどれだけ年収が変わるのかについて解説してきました。
税理士試験に挑むにあたっては、仕事と勉強を両立しながら、まずは3科目合格を目指すことが、あなたのキャリアを充実させることにつながるはずです。
この記事を参考に、より効率の良い税理士としてのキャリアアップを実現していただければと思います。
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