税理士事務所を退職する前に検討するべき、適切な退職の方法、理由、タイミングとは?
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この記事の目次
この記事から学べる内容
税理士事務所を退職する主な動機
税理士事務所を退職するときの正しいステップを理解する
スムーズに退職するためのタイミングを理解する
税理士事務所で働く人の中には、過去にも税理士分野での経験がある転職者も少なくありません。
税理士事務所間での転職はよく見られますが、退職する時の間違った行動で、自身のキャリアにマイナスの影響が出ることがあるので、慎重に進めることが重要です。
この記事では、税理士分野での転職の現状や、特に現在の事務所を退職する際の注意点について詳しく説明します。
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税理士業界での転職の概要
税理士事務所や税理士法人はいろいろあり、各事務所の規模やクライアントの種類も異なります。
その中のいくつかは、資産税や事業再構築、国際税務などの特定の分野に特化しています。
そういった多様性があるため、どの事務所に勤務するかは、自分が目指すキャリアビジョンに大きく影響します。
いろいろな種類の事務所が存在することから、業界内の転職は珍しくなく、実際に転職を希望する人材を獲得しようとする事務所も少なくありません。
キャリアの積み方の一つ
全くの初心者が税理士事務所に入る場合、どの事務所も即採用するわけではありません。
税理士試験の合格科目や前の仕事での経験などが評価され、初めて税理士事務所に入ることができますが、時には運やタイミングに左右されることもあります。
実務経験がない場合、入れる事務所は限られており、基本的に小規模な事務所が選ばれることが多いです。
その後、経験を積むことで、さらに大規模なクライアントや専門的な仕事に挑戦したくなることもあります。
待遇を良くしてもらうことや大手への転職を検討することもできます。
そうすると、小さな事務所での経験や学んだ知識を活かし、キャリアをさらに高めることができます。
税理士としての資格を取得した後は、独立して開業する選択肢もあります。
業界の繋がりに伴う注意点
税理士として活動するには税理士会の登録が必要です。
税理士会では、様々なイベントや研修があり、税理士同士の交流の場もたくさん存在します。
そのため、同じエリアで活動する税理士同士は知り合いであることが多いです。
以前の同僚や同じ学校の出身者など、さまざまな繋がりが考えられます。
このような繋がりがある中で転職する場合、以前の勤務先の情報が新しい事務所の税理士に伝わるリスクがあります。
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多忙すぎる?税理士事務所からの転職を検討する動機
税理士事務所を退職する理由は、キャリアを上げたいという時だけではなく、現在の職場や業務に対する不満が背景にあることも多いです。
他の事務所への転職を検討する背景には、どのような状況があるのでしょうか。
主な理由をいくつかあげてみましょう。
所長との価値観の不一致
多くの税理士事務所は、1~2人の税理士とサポートする数名の職員で構成されています。
だいたいの税理士事務所はこのような形態をとっていて、大企業のように、明確な上下関係が存在するわけではありません。
中小規模の税理士事務所、特に職員が20名以下のところでは、事務所を運営していく上での方向性は所長の価値観に大きく左右されます。
所長の考えや性格は、業務の手順や日常の事務所のルールに影響します。
このため、所長との価値観が合わないと感じ、現状にストレスを感じることがあるのです。
仕事と税理士試験の勉強が両立できない
税理士を目指し、事務所で働きながら勉強を進める人は少なくありません。
しかし、事務所の勤務時間が長いという理由で、試験勉強の時間が取りづらくなるケースもあります。
事務所の業務量は、忙しい時期とそうでない時期の差が大きく、特に忙しい時期には勉強時間が取りづらくなることがあります。
しかしその一方で、忙しくない時期でも帰宅が遅くなりがちで、残業をするのが日常的になっている事務所も少なくはありません。
これも前述したように、所長の方針次第で、勉強時間を考慮した勤務形態を整えている事務所も存在する中、必要な勉強時間が取れないことから転職を考える人がいるのです。
給与の低さと昇進の見込みの薄さ
税理士事務所の職員の給与は、高額とは言えないのが実情です。
特に資格を持たない人が小規模事務所に所属すると、給与に対する不満を抱えるケースがあります。
一部の事務所の所長は、職員はあくまで資格取得を目指す間だけの勤務と捉え、その給与をなるべく低く設定するということがあります。
一方で、入社当初の職員は仕事と勉強を両立させる意欲に満ちています。
それにも関わらず、給与が上がる見込みのない事務所も珍しくなく、その結果、給与に対する不満を持つ人が増えていくのです。
業務のルーチン化
税理士事務所の業務は、月ごと、年ごとに繁忙期があります。
新規事業の開始や子会社の設立など、大きな変動は稀です。
そのため、長期間同じクライアントを担当すると、業務が繰り返しになりがちです。
また、特定の業務、例えば相続税関連の業務を経験したいと考えるスタッフもいますが、
多くの事務所ではその経験したい業務を与えられる機会があまりありません。
その結果、現在の業務がキャリアの成長に役立たないと感じ、別の事務所を探し始めることがあるのです。
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スムーズな退職方法の5つの例
現在の職場でのキャリアアップや事務所に対する不満が背景にあって、税理士事務所を退職するケースが考えられます。
しかし、事務所を去るときのトラブルは、次の就職活動に支障をきたす可能性があるため、問題が起こらないように新しい事務所への転職活動を進めるように心掛けるべきです。
税理士事務所を退職する際の注意点を紹介していくので、事務所に退職を伝えるときに参考にしてみてください。
上司には突然ではなく前もって退職することを伝える
税理士事務所によっては直属の上司がいます。
その場合、まずその直属の上司に退職したいということを伝えると良いでしょう。
どの職場においても、これが一般的な手順だと言えます。
上司ではなく経営層にまず退職を伝えるのは、上司を無視するという形になり、結果的に話が複雑になる恐れがあります。
退職を伝える際は、段階をきちんと踏んで伝えることが退職をスムーズに進めるコツです。
同僚であっても退職するという意向を話さない
退職の意向を信頼している同僚に打ち明けても、実際のところ何の利益も生まれないでしょう。
信頼して話したとしても、その情報がどこから漏れるかわかりません。
また、漏れた情報が事実とは違った内容で伝わるケースも考えられます。
退職することが決定した後で同僚に伝えるのがベストです。
同僚にアドバイスを求めたいと感じるかもしれませんが、実際のところ、役に立つアドバイスが得られるかどうかはわかりません。
仕事をこれからも続けていく立場の同僚と退職を考えている自分とは、見方が異なることを理解することが大切です。
退職のタイミングを明確に伝える
税理士事務所は多くの場合、最低限の人員で日常業務を行っています。
したがって、職員が退職するとその業務の引き継ぎや人員の確保が必要となります。
所長に退職を希望する際は、希望する退職時期を明確にして伝えることが重要です。
業務を引き継ぐ人員の確保が難しければ、退職を進めるのが困難になる可能性があるため、退職を希望する時期を早めに伝えることで、次のステップに効率的に進められるでしょう。
効率的な引継ぎのポイント
先ほど触れた通り、業務を引き継ぐ人員が決まらない限り、退職はできません。
また、業務を引き継ぐ人員が確定するまでの期間と、その後の業務の引継ぎ期間を合わせると、退職するのに時間がかかってしまう可能性がでてきます。
引継ぎをスムーズにするための重要なポイントは、日常業務の中での情報を共有しておくことです。
クライアントの情報は、常に上司やリーダーと共有しておくことが大切です。
マニュアルの整備は、退職の時だけでなく、日常業務の流れをスムーズにするのにも役立ちます。
日常的なコミュニケーションの重要性
退職するということは、簡単な話ではありません。
上司からすれば、これまでの教育投資が無駄になるリスクが生まれます。
さらに、新しい人材の採用とその教育にも再び教育投資が必要となります。
ですが、これらの問題は職員が気にする必要はありません。
新たな人材の採用と育成も、組織の責任の一部だからです。
スムーズな退職を目指す上では、日常的なコミュニケーションを大切にし、
組織に迷惑をかけずに退職したいという意向を伝えることが鍵となります。
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理想的な退職時期は?
税理士事務所には、繁忙期(仕事量が多い時期)と閑散期(仕事量が少ない時期)があります。
繁忙期のタイミングで退職を伝えると、なかなか承諾されないことが多いです。
税理士事務所の繁忙期とは
多くの税理士事務所では、年末や年始、春の確定申告や決算の時期が繁忙期となります。
このタイミングで退職すると、業務に影響したり他の職員への負担が大きくなります。
よって繁忙期中に退職することは、クライアントや同僚に影響がある可能性があります。
そのため、退職を伝えるタイミングは、繁忙期を避ける5月から10月が理想的です。
不満が生じた場合の対処法
不満を持ちつつも仕事を続けることは、自分や組織にとってもデメリットとなる可能性があります。
そういった場合、繁忙期が過ぎるのを待つよりも、すぐに退職を考えることも選択肢の一つです。
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まとめ
税理士事務所間の転職はよくある話です。
会計や税制の仕組みは基本的に同じなため、新しい環境への適応が早く、評価を受けやすいからです。
しかし、業界がコミュニティー重視であるため、退職する際は注意が必要です。
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