会計事務所に勤める中で、自分のキャリアに疑問を抱くことはまれではありません。
会計事務所での業務内容は多岐にわたり、その中には会社やクライアントの厳しい要求から逃れたいと考えている人も少なくないためです。
彼らの多くは会計の世界に希望をもって、この道を選んだわけですが、時に現実は非常なもの。
業界の仕事自体に魅力を感じていても、職場の雰囲気や環境に適応するのが難しいと感じているなら、身体を壊す前に退職や転職を考えることも時には必要といえるでしょう。
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この記事の目次
会計事務所の職員を悩ませる主な点
知識や経験の要求が高い
会計の専門家としてのキャリアを追求する場合、税務や社会保険、給与計算など、多岐にわたる知識の習得が求められます。
しかもこれらは制度の変更や追加の度に研修やテストが絶えず行われ、時にはプライベートを犠牲にする必要も多くあるのです。
法律の変更への対応
業界の専門家として、最新の法律を把握していることは必須です。
特に、曖昧な表現の法律や規則に関しては正確な理解が求められ、それに失敗すると会社やクライアントに迷惑をかけることになったり、場合によっては訴訟問題が生じる可能性すらあります。
報酬の問題
会計業界においては、過酷な労働条件にもかかわらず、報酬が低いという事務所も存在しています。
しかし、そのような環境で長時間労働が続くと、燃え尽き症候群や健康問題を引き起こす可能性も。
「睡眠時間が足りない」、「休日に何もする気になれない」など、心身の異常に心当たりのある人は、転職や退職を考えてみる必要があるかもしれません。
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育児との両立が難しい場合も
会計の世界は、専門的な知識が必要とされる領域です。
そのため、専門知識に精通してさえいれば、人間関係に悩まされることはないと考えている人もいるかもしれません。
しかし、その考え方は間違っています。
これまでの会計事務所での勤務の中で、私は仕事のプレッシャー以上に人間関係に疲れて退職を選択する同僚をたくさん見てきました。
それだけ、税務や会計のタスクをこなしながら、事務所の同僚や上司、税理士や法務関係者との関係を維持することは難しいことなのです。
もちろん、こういうケースは会計事務所に限らず多かれ少なかれあることでしょう。
「どんな仕事でも大変なのは一緒」と考えて、今の環境を受け入れるのもひとつの方法だといえます。
しかし、もっと良い環境で仕事ができるなら、それに越したことはないはずです。
「若いうちに苦労は勝手でもしたほうがいい」という考え方もありますが、実際にそれを実践しているのは日本だけという話もあります。
むしろ「好きこそものの上手なれ」という言葉の通り、楽しく、チームとして働くことを重視すべきでしょう。
ちなみに、私自身、共働きの妻と2人の子供を育てながら会計事務所で働いてきました。
とても忙しい会社で、帰宅するのはいつも日付が変わってから。
そのうえ担当するクライアントの数も増えて、負担は日増しに増えていったのです。
最終的には土日、祝日といった休みをとることすら難しくなり、育児との両立が破綻したことで転職を決意することになったのです。
ある程度年齢を重ねてからの転職には、当然のように不安はありました。
しかし、これまでの会計事務所での経験を評価してもらえたことで、企業の経理部に再就職することができたのでした。
さいわいにも、会計処理の経験やスキルは、多くの企業の人事部が採用にあたって高評価を与えるポイントでもあります。
そういう意味でも、心身の健康や家庭を犠牲にしてまで、同じ職場で働き続ける必要はないと言えるでしょう。
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会計事務所を辞めてもいい人と、辞めてはいけない人
辞めてもいい人
- 心身に異常が現れている人
- 業務の影響で家庭生活に問題が出ている人
- 上司や先輩から過度なプレッシャーを受けている人
- 会計事務所での人間関係に悩む人
- 過度な仕事量でスタッフが次々と退職するような会計事務所に勤めている人
上記のように、会計事務所での過酷な労働環境により、心身の健康に危険を感じる場合は、無理をせずに休職や退職を検討することが大切です。
辞めてはいけない人
- 入社から1年未満の者
- 業務の習得に時間がかかる人
- 働いている会計事務所の同僚との関係が良好な人
- 入社して間もないのに会計事務所の仕事についていけないと感じるのは、単に業務に慣れていないだけの可能性もあります。
会計業務は煩雑なため、多くの先輩が同じような苦労を経験しているものです。
そのため、最初の1年程度はある程度の負担は我慢して、仕事に挑戦し続けることを推奨します。
慣れてくると気が付くと思いますが、実は会計の日常業務は基本的にはルーチンワークであることがほとんどです。
毎月の決算処理や、年に1回の年次決算と申告など、一度経験してしまえば作業効率もアップし、負担も軽減される場合も多くあります。
そのため転職を考える前に、少なくとも1年間は現在の会計事務所での経験を積むことをおすすめします。
また、会計事務所での勤務期間が短いと、転職の際に「この人はうちの会社でもすぐに辞めてしまうのではないか」という不安を与えてしまい、採用の際に不利に働く可能性も捨てきれません。
そういう意味においても、「まずは1年間」を目標に頑張ってみてください。
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「いまの会計事務所についていけない」と感じているあなたにおすすめの転職先
会計事務所での勤務経験から言えることは、会計事務所で得た経験やスキルは、一般企業の経理部で非常に高く評価される傾向があるということです。
そのため現在の職場に不満がある場合には、積極的に転職を考えるのも、人生を豊かに生きるための選択肢のひとつと言えるでしょう。
以下では、会計事務所での経験が活かせるおすすめの転職先を、いくつか紹介していきます。
一般企業の経理部
会計事務所での経験は、経理部での仕事に直結します。
さらに経理業務はどの企業にも存在するもので、転職先の候補として極めて有効的なのです。
こうした一般企業の経理部への転職を目指す場合には、会計事務所での経験のほか、簿記や経理関連の資格を持っていれば、さらに採用の際に有利になることも覚えておきましょう。
ベンチャー企業
実は多くのベンチャー企業には、会計事務所出身のスタッフが所属しているケースが多く見られます。
野心的な経営者は、スピード感のある経理処理を好む傾向にあるからです。
こうしたベンチャー企業への転職を目指す際には、豊富な決算業務の経験やスキルが特に重要になります。
また、税務や融資に関する知識も大きな強みとなります。
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会計事務所の知識を活かした転職のコツ
会計事務所での勤務経験者が転職を考える際に、押さえておくべき3つのポイントを紹介します。
過去の会計事務所での業務経験を活用する
会計事務所では多岐にわたる業務に携わるため、そこでの経験は貴重です。
特に法律についての知識や、クライアントとのやり取りで培ったコミュニケーション能力は経理担当者にとって貴重なスキルと言えます。
ほかの転職希望者との差異を強調できるポイントですので、業務経験は積極的にアピールしていくとよいでしょう。
目指す職種や業界を探す
近年では、インターネットを活用しての職探し、求人情報の収集も盛んになっています。
こうしたサービスを利用することで、自分にあった新たな職種や業界を知ることができます。
また、インターネットでの職探しにおいては、自分の強みや希望するキャリアパスを明確にし、それを活かせる転職先を探すことが重要です。
転職活動を効果的に行う
プレッシャーやストレスのかかりがちな在職中の転職活動では、できるだけ効率よく進める必要があります。
自分にあった新しい職場をピンポイントで見つけるためには、面接の雰囲気や会社の経営方針に注目するとよいでしょう。
また、採用に有利なように、新たな資格の取得も効果的と言えます。
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最後に
会計事務所での経験は、転職市場での評価が高く、就職に有利に働くことが多くあります。
そのため、現在、会計事務所で働いていて待遇や労働環境に不満のある方は、早めの転職活動を検討するとよいでしょう。
その際には、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
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