海外のデザイナーズブランドで海外勤務パタンナーとして活躍してみたい!とお考えの方へ。
今回は海外で海外企業のパタンナーとして6年間、その後ディレクター兼デザイナーとして8年間仕事をしていた私の体験談を書かせていただきます。
パタンナーは実力主義の世界ですから、海外勤務で働くのは決して楽ではありません。
しかし、海外ではパタンナーとしての専門教育を受けた人はとても少なく、日本人のていねいな仕事には確かなニーズがあるのも事実です。
ここではパタンナーとして海外勤務を希望している人向けに、お役に立ちそうな情報を書かせていただきますので、参考にしてみてくださいね。
この記事の目次
海外勤務に出発する前にやっておくべきこと
まずは実際にパタンナーとして海外勤務をスタートする前に、以下のようなことを準備としてやっておきましょう。
①語学を学ぶ
当然の事ですが、英語圏では英語、ヨーロッパ圏ではフランス語やイタリア語等を聞けて、話せて、書けて、読める必要があります。
現地の人にとっては言葉ができるのはごく当たり前のことですから、海外勤務で活躍するためには最低限コミュニケーションを取れるだけの語学力がなくてはなりません。
パタンナーとしての専門用語についてもしっかりと準備をしておきましょう。
また、業務では身振り手振りも加えて慣れていけば程度なんとかなりますが、問題となりやすいのはビザなどのお役所の手続きです。
お役所での手続きは書類が多く、日常会話ではぜったいに使わないような英単語もたくさん出てきます。
お役所の手続きに不備があるとせっかく見つけた仕事も辞めざるを得ない…というような状況になることもありますから、この点は注意しておきましょう。
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②ビザ取得について調べる
現実問題として、パタンナーとして就労ビザを取得するのは難しいです。
就労ビザにはさまざまな種類がありますから、パタンナー以外の仕事でも、きっかけを見つけてまずはそこで挑戦する、という形を選ぶのが現実的な解決策と言えます。
一番の近道は海外に支社があるアパレル企業へ就職し、その企業で海外勤務を希望してファッションウィーク中にファッションショーの裏方として関わる等ではないでしょうか。
海外の人はフレンドリーなので、仲良くなればそこからいくらでもステップアップするチャンスは見つかりますよ。
③現地で就職先企業を見つける
海外移住をするための条件をすでにクリアしている方(日本で外国人と結婚をして、相手の母国へ行く事になった方や、永住権を取得できるロトに当たった!などの方)は、現地で就職活動をすることになります。
海外(特にアメリカ)の就職活動は日本とはかなり雰囲気が違います。
SNSなどで求人を行っている企業とコンタクトをとって、「今度採用の欠員が出たので、一度面接に来てみませんか?」といったようなきっかけで就職が決まることもあります。
海外では就職活動、とあまりガチガチに考えず、普段の生活の中でアンテナを張っておくことを心がけると良いですね。
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パタンナーとしての海外勤務の楽しさ
海外勤務でパタンナーとして働くことには楽しさや醍醐味(だいごみ)がたくさんあります。
ここでは実際に私の体験から「海外勤務のこういうところが大好き」ということを書かせていただきますね。
①日本人パタンナーの評判
日本だけで生活しているとわからないことが多いですが、海外で日本人はとてもイメージが良いです。
特に、パタンナーなどの職人的な仕事では「日本人はていねいな仕事をする」という評判が確実にありますね。
また、上でも少し説明させていただきましたが、海外ではデザイナーやファッションビジネスについては専門学校で学んでいる人はたくさんいますが、パタンナー専門で学んで来たという人はとても少ないです。
日本で専門学校を出た後、数年間程度アパレルで働いて来た人であれば、海外勤務でもパタンナーとして重宝されると思いますよ。
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②外国人の上下関係
日本語には敬語があったり、先輩や年長者には遠慮しないといけなかったり…とカタ苦しく感じている人も多いと思います(私もそうです)
この点、英語圏でのコミュニケーションでは「敬語はあるようでない」感じです。
年長者が相手だったり、不動産や弁護士などの社会的ステータスが高い人たちと話したりするときには、キレイな言葉で接した方が印象が良い場合もありますが、基本的に上下関係はありません。
特に、仕事の現場では「人類みな平等」といったような感じで上も下もありません。
「私の仕事はこれ、あなたの仕事はそれ。違いはあっても上も下もないよね」というのが基本スタンスで、こういうフランクな形が私は大好きです。
③異文化に触れられる
日本でも様々な国の料理や文化に触れる機会はありますが、海外ではそれが本格的です。
例えば、中国には「旧正月」といってニューイヤーシーズン以外にも休暇がある、といったように日本にはない行事もあります。
アメリカでは建国記念日や感謝祭の日などにはとても盛大にお祝いをしますから、こういう楽しみがたくさんあるのも海外勤務の楽しいところです(クリスマスは基本的に家族と過ごす日だったりと、お祝いの仕方に日本とはかなり違いがあります)
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まとめ:これから海外勤務パタンナーを目指す方へ
私を含め、海外勤務で働いている日本人パタンナーはたくさんいます。
残念ながら単純にパタンナーとして就労ビザを取得して海外移住するというのは難しいかと思いますが、「海外で働きたい」という強い気持ちを持ち続けて努力していれば必ず道はひらけます。
まずは、学生ビザを取得し語学留学という名目で海外へ住み、様々な人と出会いながらきっかけを見つけていくことから始めてみるのも良いですね。
語学の不安について
語学についても心配という方は多いでしょう。
しかし、私が海外へ移住した頃には読み書きは中学レベルでできても会話がまったくできませんでした。
それでも一日のうちで「外国語を話す時間」を自分の中で決め、徹底してその国の人たちと話す時間を作っていました。
現地ではどうしてもさびしいので日本人のコミュニティを探してしまいがちですが、それもほどほどにしておかないとなんのために海外に来たのかわからない状況になってしまいます。
まずは、その国の言語で冗談が言えるようになること(外国人とのコミュニケーションではユーモアはとても大切です)、
そしてパタンナーとしての仕事で使う単語をマスターしましょう。
仕事の見つけ方とキャリアアップ
仕事の種類についても、「パタンナー以外はやりたくない」といったようにあまりガチガチに考えない方が良いですね。
私は結果的に数社のデザイナーズブランドのデザイナーと、パタンナー兼アドバイザーとして仕事をしてきました。
道は一つではありませんから、そのときに自分に求められているものに合わせて変化していくことを意識してみると良い方向に向かえると思いますよ。
また、上でも書きましたが、まずは海外勤務がある国内アパレル企業に就職し、そこから現地法人に派遣という形の希望を出していくのもおすすめです。
(転職エージェントにその企業で海外勤務になった人がいるかどうか?を確認するとともに、採用面接で「海外で働ける可能性はありますか?」と必ず確認しておきましょう)