経理はどんな企業でも必ず必要とされる職種ですね。
ただ、ホワイト企業の経理とブラック企業の経理とでは、雇用環境がまったく違うので注意してください。
具体的にどのように違うかというと、
まずホワイト経理は業務の範囲が明確であることが挙げられます。
つまり、自分の専門分野の仕事に集中できるわけですね。
無駄な会議や資料作りはなく、業務のシステム化が進んでいて効率的な職場環境なので本来の業務に充てる時間が削られません。
専門分野に集中できるので、計画的に仕事が進められ心身ともに健全に過ごせます。
居心地がいいのでやめる人が少ないため慢性的な人員不足とは無縁なうえ、有休休暇もとりやすくて感動しました。
この記事の目次
ブラック企業の経理の雇用環境
私が以前勤めていた会社は典型的なブラック企業で、経理部もめちゃくちゃつらい環境で働いていました。
↓具体的には以下のような感じですね。
- 慢性的な人材不足で業務が回らないので業務クオリティが下がりミスフォローが大変
- 毎年のように精神を病んで突然来なくなる人がいる
- 入社3年くらいで辞める人が多いので中堅層が育たずいつまでも新人と管理職だけ
- 役員に見せるためだけの資料作りや何も進まない会議、無意味な朝礼など本業以外の業務が盛りだくさん
- 自分の仕事が完了しても終わっていない人の仕事を回されるのでエンドレス
- 上司から休日出勤や残業を頼まれ、深夜残業が続く
ブラック経理は労働環境が改善されない
ある日、突然人事から呼び出され「残業をしすぎ」と注意され、評価が下がりました。
他の人は、下記のような対策でやりくりしていたのです。
- 残業をすると目をつけられるので仕事の途中で退勤記録をつけて残業を続ける
- 自宅に仕事を持ち帰って仕事をする
労働時間が長いばかりかまともに残業申請できない雰囲気です。
体を壊す人が出ても業務フローの見直しは却下され、労働環境の改善はされませんでした。
ブラック経理はインフラも期待できない
仕事の効率を下げている原因の一つに、インフラの悪さもあります。
- 予算が足りず業務ソフトウェアのアップデートができる人数が限られている
- 書類のデータ化が進まず資料が入った段ボールが積み上げられている。片付ける時間もない。
- PCが古すぎてすぐ故障をする
このように、個人の努力ではどうにもならない非効率の原因が沢山あります。
ボロボロになるまで働いても大したスキルは身につかず、正当な賃金や労働環境も維持できないブラック経理は絶対に入ってはいけません。
私はこのブラック経理を辞めることができましたが、退職後、離職票を出してもらえませんでした。
転職する時は、人材を会社の資源として大切にしてくれるホワイト経理に転職しましょう。
転職サイトの求人情報からホワイト経理を見分けるポイント
ここでは、実際の求人を例にホワイト経理を見分けるポイントを解説します。
1.大手でも高すぎる年収や仕事内容が曖昧な求人は要注意
東証一部上場などの大手企業はホワイトなイメージですが、募集ページに以下のような文言がある場合には要注意です。
「希望や経験に応じて幅広い業務に携わることが可能」
将来的になんでも任されて業務量がキャパを超える可能性あり
年に数回、第一土曜日出勤(有給休暇奨励日)
平日に有休休暇が取りにくいか有給休暇の消化率が悪いため奨励日を設けている?
想定年収は時間単位に計算してみよう
想定年収450万円~600万円だったとすると、想定月収が25万円~30万円です。
賞与が年2回、年間休日115日だったとすると、
25万円×12か月÷(365日-115日)÷8時間=1,500円
↑で、時給1,500円程度になってしまいます。
これなら派遣スタッフの方が高いかもしれませんね。
実際のところ本当にブラックかは入ってみないと分かりませんが、こういった求人をチェックするときのポイントは知っておいて損はありません。
2.業界を選ぶときのポイント
経理はどの会社でもやることは基本同じですが、業界によって特徴があります。
↓私の経験からいえる範囲では、以下の2つの業界があります。
- 小売業
- 飲食業
これらの業界は扱う商品の数が多いのが特徴です。
店舗数が増えると数字の管理も多くなる、といいうように業務量が多くなりがちです。
また、スタッフとしていろんな雇用形態の人たちが働いているのも特徴ですね。
給与計算が煩雑な傾向になるため、年末調整の時期などはかなり忙しくなるケースが多いです。
一方で、個人的におすすめなのはエネルギー関連やコンサルティング業界ですね。
年収は若干低めですが業務範囲が狭くワークライフバランスがとりやすい会社が目立ちます。
未経験経理で入った会社がブラックだった人は、
一旦働きやすい環境に転職をして実力をつけた後、
さらに高付加価値スキルが身につく会社に転職するのもお勧めです。
3.外資系企業はホワイト度が高い
外資系の求人は、業務内容や必要な経験・能力を細かく記載している傾向があります。
必要な経験年数も細かく明示されていますし、
賞与の支給上限も月給3か月分までなど、具体的でイメージしやすい数字で説明されていることが多いです。
外資系は経理についても実力主義の企業が多いです。
「賞与の支給は会社業績もしくは個人成績による」などの表現になっているケースもありますね。
実力次第で支給が無い可能性もありますが、最初にハッキリ示されていると安心感がありますね。
4.メーカー経理は勤務地によってホワイトを見分ける
メーカー経理は、まれに工場勤務や子会社出向の場合があります。
入社してから1~2年は工場勤務などになっているケースも多いです。
(1~2年後に必ず東京に戻れるか…など、気にしておくべき点が多くあります)
あと、出勤時刻が早い企業が多いのもメーカー企業の特徴と言えるかもしれません。
業務内容は原価計算や原価管理が多く年間の業務も固定されているので、希望する業務かどうかも重要ですね。
地方の工場だと都心より転職が難しい面があります。
人員の定着率や労働環境、本社と連携する業務があるかなどもよく確認しましょう。