- 経理経験者の転職先でおすすめの職種は?
- 転職しても年収は下げたくない…これって無理?
- 会計関連で経理以外にやりがいのある仕事ってある?
経理は「つぶしのきく職種」と言われることが多いですね。
実際、経理としての実務経験がある人は、
別の職種でもその経験を生かせる可能性が高いですよ。
ただ、転職先として選択する職種を間違えてしまうと、
経理の実務経験がある人も
未経験あつかいになってしまいます。
こうなると年収も大幅に下がってしまうので注意してください。

せっかく時間と労力をかけて転職活動するなら、年収アップして今よりやりがいのある転職先に移りたいですよね。
この記事では、経理経験者の転職先としておすすめの職種を紹介しています。
(実際の求人例で年収などの具体的な条件も解説しています)
会計関連でキャリアップを目指す人はぜひ参考にしてみてください。
この記事の目次
経理の実務経験を活かせる転職先
経理の実務経験を評価してもらえる職種としては、以下のようなものがあります。
それぞれの内容について、詳しく説明していきます。
1.経理からIR・広報への転職
IR(Investor Relations)広報は、その名の通り株主や投資家に向けた広報活動です。
仕事内容は、決算報告書の開示義務や株主総会の開催の作業になります。
広報であるため、開示した情報に対する質問に応える役割もあります。
株主総会やメール・電話で、細かい数字やそこに至った経緯を尋ねられたら、スラスラと答えなければなりません。
この数値や経緯に関する問い合わせは、経理経験者ならば日常茶飯事だと思います。
聞かれると予想される数字に対して、いつ聞かれても正確に答えられるように事前に頭に入れておいて、聞かれたらサラッと答えるのです。
つまり伝える相手が、社内から株主や投資家に変わっただけです。
経理経験者にとって、IR・広報の仕事は難しいことではありません。
初年度年収は500万円が期待できます。
2.経理から経営企画(財務)への転職
経営企画とは、会社の「経営の戦略の提案」と「経営資源の再分配」を行う部門です。
競合他社や市場を下のように分析します。
- ウチのA事業部は他社が弱いから、もっと儲けられる
- ウチのB事業部は分が悪いから、撤退も検討すべき
分析を元に「B事業部からA事業部へ人と金をこれだけ移したら利益がこれだけ増えます」と提案する仕事です。
決算書まで組んだ経理経験者ならば、会社全体の金の動きが手に取る様に分かります。
どの事業部に「どれだけ金を入れ」「どれだけ金を生んだのか」、その理由と共に知ることができます。
経営企画の仕事は、経理経験者にとってスムーズにこなせる仕事なのです。
初年度年収は、380万円程期待できます。
3.経理から内部監査(内部統制)への転職
内部監査(内部統制)は、社内チェックの組織です。
「法を守っているのか」「社内規定に沿っているのか」と、社員でありながら社内を監視する役割です。
この「法を守っているのか」の中に「数字をいじっていないか」が含まれます。
数字のチェックに、経理の経験が役立ちます。
部門の毎月の売上や支出をみて次のように感じることはないでしょうか。
・売り上げが伸びているのに、仕入れが少ないまま。おかしい
・例年売り上げが少ない月なのに、今年は売り上げが伸びている。おかしい
経理に慣れていれば、理由を確認したくなる事態です。
そして、もし数字が不正確と分かったら、法令違反の恐れがあります。
金の流れを追う経理経験者だからこそ、内部監査(内部統制)は活躍しやすい仕事場なのです。
初年度年収は、375万円程期待できます。
4.経理からシステム部門へ転職
システム部門の役割は、システム面から業務をサポートする事です。
主な業務の一つに、ITツールの導入の提案があります。
社内で要望を聞き取り、業務効率が上がりそうなツールを探し提案します。
その提案に必要なのは「導入に対して、どれだけの効果が見込めるか」という目安です。
見極めのために、社員に話を聞いて取りまとめて、業者から見積もりを取ります。
ここで経理経験が活きるのです。
導入したらどのような経費が浮くのか、瞬間的に思い浮かぶことでしょう。
見積額の妥当性も分かります。
簿記2~3級を歓迎する求人を見かけることがあります。
経費の動きを見てきた経理経験者だからこそ、求められているのです。
初年度年収は、400万円程期待できます。
5.経理から人事へ転職
人事の主な仕事は人材採用から従業員の評価・育成・配置ですが、それらをサポートする労務管理も行っています。
具体的には、勤怠管理、給与計算、各種社会保険の手続き等です。
これらで分かる通り経理と労務で共通するのは、数値に対する正確性と、法制度の理解です。
各種控除額が誤っていたら、収める額が違っています。そのため、1円でも間違っていたらぴったり一致するまで再計算です。
また、制度が変わって雇用保険や源泉徴収額の額が違ってくることもあります。制度の切り替わり時には、自動計算した結果が合っているか確認する必要があります。
各種ソフトに入力して終わりではないのです。
このように経理も労務も取り組む姿勢は共通します。
人事は経理経験者が向いている仕事の1つと言えるでしょう。
初年度年収は、420万円程期待できます。