パタンナーとして働き始めたばかりという方や、これからファッション業界への就職を目ざしているという方の中には、「パタンナーは1年目の仕事としてどんなことをするんだろう?」と不安に感じている方も多いかもしれません。
パタンナーは実力主義の世界ですから、1年目の仕事でどんな経験をしたかや、仕事以外の部分でスキルアップのためにどういう行動をしてきたか?によって、任される仕事やお給料に大きな差ができてしまいます。
ここではパタンナーとして6年(海外勤務含む)ほど、その後ディレクター、デザイナーとして8年ほど仕事をしてきた私の経験から、パタンナー1年目の方におすすめの仕事の仕方について説明させていただきます。
この記事の目次
パタンナー1年目には同業種友達を作ろう
パタンナー1年目は慣れない仕事に追われて毎日へとへと…という人も多いでしょう。
ですが、業界に入って1年目というのはまわりにやる気にあふれる人たちがたくさんいるものです。
先輩たちもあなたのことをゼロから教育していこう、という意識がありますから、あなたが積極的にまわりにかかわればかかわれば、たくさんの人がそれに答えてくれるでしょう。
1年目に特におすすめなのはたくさんの同業種の友達(先輩含む)を作っておくことです。
この時期にできる友達というのは生涯の親友になってくれる可能性が高いです(私もパタンナー1年目に友達になった人たちとの交流は現在も続いています)
同業種の友達を作るメリットには、その他にも以下のようなことがあります。
【メリット1】良い意味で競争できる
1年目は誰もがやる気にあふれていますし、お互いに不安な気持ちは同じですから、不毛な足の引っ張り合いなどにはならないことが多いです。
あなたの同僚に同年代の人がいるなら、同じデザインから作ったパターンをとなり同士に並べてみる、ということを定期的にやってみることをおすすめします。
人間が作ったパターンで仕上がる既製品は、見た目にはデザイン通りでも、本当は全て違うものです。
1年目同士なら、なんでこういう仕上げ方をしたの?といったように、お互いに包み隠さず(変なプライドもなく)アドバイスをしあえます。
もちろん、心の中では「次はもっと相手より良いパターンを作ろう!」と闘志を燃やしましょう。
【メリット2】たくさん質問できる
純粋な友達、という関係性とはちょっとちがいますが、私には尊敬する先輩パタンナーさん達が10人ほどいます。
この人たちはみんなパタンナー1年目のときに、私がアドバイスを求めて出会った人たちです。
1年目のあなたは「1質問すれば10返ってくる」という、後から考えるととても幸せな環境を作り出すことができます。
ごく簡単にいうと、1年目のあなたなら先輩たちは誰もが「かわいい」と感じるからですね。
2年目になると先輩たちもライバル意識に近いものがどうしてもできてきますから、こうはいきません。
1年目はできる限り熱意をもってパターンの仕事に取り組んでいる先輩を選んで、積極的に声をかけてみましょう。
【メリット3】飲み会でも成長のチャンス?
同業種で知り合った人や、プライベートでも友達になれそうな人を見つけたら、積極的に飲み会や食事会に参加するようにしましょう。
飲み会の席では常にパターンの話をしているわけでもないですが、やはりそこは同業種です。
リラックスした場ほど、パターンの構造やデザインについて熱い議論が出るものです。
「今日は飲み会で集まろう」となった同業種の友達でも、気がついたらパターンの話…ということは本当によくあります。
そして、こういう場でこそみんなが本当にやりたいこと、挑戦してみたいと思っていることを正直に話してくれます。
パターンは奥が深く、どこまでいっても終りのない魅力がある仕事です。
有名デザイナーがゴミ箱に捨てた紙くずを拾っておいて、パタンナー達で集まって研究した、という話も聞いた事があります。
それくらいパタンナーは、日々デザイナーの意思や意向を理解しようと努力していく職業なのですね。
こういう場で将来はこうしたい!こういう仕事ができるようになりたい!って励まし合える環境があるかどうかで、その後の成長スピードは決まってくるものだと思います。
こういう経験が次の日の仕事でもっとこうしてみよう、という工夫につながりますし、つらいときに壁を乗り越えるエネルギーになります。
1年目にこういう人たちに出会えるかどうかは、その後のあなたのパタンナー人生に大きな影響を与えるでしょう。
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課外授業も活用してみよう
パタンナー1年目の方は、課外授業も活用してみるのをおすすめします。
勉強は学校を出たら終わり!ではとてももったいないですし、社会人になってからの勉強というのは実務と関連していますから、とても楽しいものなんですよ。
私の場合は、社会人1年目になってから、オーダーメイドのお洋服を作るブティックを経営されている女性から、ドレーピングの授業をマンツーマンで受けていました(週1回の土曜日だけです)
学校を卒業しても、1年目からいきなりパターンを担当させてもらえるわけではありませんよね。
そうなるとどうしても日頃の仕事では技術的なことに触れる機会が少なくなります。
実力を付けて突き詰めていきたい方は、以下のような課外授業を活用してみるのもおすすめです。
アミコファッションズ
アミコファッションズは、ファッション業界で働くパタンナーのプロ育成を目的としている学校です。
当時私も、某大学で特別に出張で開講された2週間連日で行われる授業を、会社に理由を話し、朝から夕方まで受講しに行ったことがあります。
ピンの打ち方から始まり、線一本の引き方まで教わる。
プロフェッショナルとして会社で働いているにも関わらず、生徒さんは基礎中の基礎であろうと真剣です。
仕事以外でそういう人たちと接触できるのはとても刺激になりますよ。
洋服を見に行こう
お休みの日、気晴らしにネットショッピングを楽しんだりする方は多いのではないでしょうか?
でもたまには実店舗でも洋服をチェックしてみてください。
そこでどんな始末をしているのか、どこにブランドネームを配置すれば高級そうに見えるのか、など勉強になることがたくさんあります。
パタンナーとしてキャリアアップを目指すあなたは洋服を見るのが大好きな方ですよね。
楽しみながら研究していく事で、どんどん知識が増えていくはずでず。
半年もそういうことを意識して続けていれば、先輩に「いつのまにそんなことどこで習ったの?」なんてびっくりされちゃうかもしれませんね。
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まとめ:私も最初の職場は嫌でした
私は就職活動では何社かの企業の実技試験を受け、面接もたくさん受けました。
結果的に最後に面接を受けた会社での採用となったのですが、そこは自分にとっては最後のすべり止めのような気持ちで受けた会社で、正直いって納得の結果ではありませんでした。
仕事ははっきりいって雑用のようなことも多く、ストレスがたまる毎日でした。
でも、会社以外の世界があった事で、それが会社の仕事にも反映されて結果がついてきたんです。
パタンナー1年目のあなたは、ひょっとしたら今の仕事には不満を感じているかもしれません。
でも、いろんな人と積極的に関わり合いながら毎日努力していればきっと重要な仕事を任される日がやってきますよ。
パタンナーは1年目は実は一番のふんばりどころです。
ぜひファッション業界で働きたい!と思い始めた時の気持ちを大切に頑張ってみてくださいね。